ソーシャルメディアの活用とリスク対策
近年のソーシャルメディアユーザーの増大を受け、Twitter公式アカウントやFacebookページの開設、ブランドコミュニティの運営、キャンペーンのソーシャルメディア連携など、企業によるソーシャルメディアのマーケティング活用が活発化しています。ソーシャルメディアは、適切に活用すれば、従来のマーケティング活動では得ることが難しかったユーザー間での活発な情報共有や、潜在顧客とのコミュニケーション促進など、様々な効果を得ることができます。
一方、やらせ行為や不適切発言、過度な情報統制を発端とした炎上事故(企業や個人に非難や批判が殺到すること)も多発しています。一旦、炎上事故が発生すると、企業や個人は物理的・精神的に大きなダメージを受けてしまいます。
一般社員やアルバイトによるリスクが顕在化
早い時期からソーシャルメディアの活用を進めてきた企業は、公式アカウントやキャンペーンなどでソーシャルメディアを活用する、広報・広告・宣伝・マーケティング担当者向けに、炎上の「予防」を目的としたソーシャルメディアガイドラインや、有事(炎上発生)対応としての炎上対策マニュアルの整備、定着・啓蒙のための教育研修に取り組んできました。
しかし、2011年に入ってから発生している炎上事故の大半は、公式アカウントやキャンペーンにソーシャルメディアを活用している「広報・広告・宣伝・マーケティング担当者」によるものではなく、ソーシャルメディアトレーニングの対象外だった、一般従業員やアルバイトによる不適切発言や情報漏えいによるものです。ホテルのアルバイトやスポーツメーカーの従業員による炎上事故は記憶に新しいと思います。
リスク対策の目的は企業と従業員の双方を守ること
ひとたび、一般従業員が炎上の当事者になると(その従業員の過去のソーシャルメディアのプライバシー設定にもよりますが)、実名や顔写真、自宅住所、出身校や勤務先、趣味や価値観、友人関係など、ありとあらゆる個人情報がネット上に晒され、糾弾されることがあります。当人の発言や行為に問題があったとしても、当事者が受ける社会的・精神的被害は甚大です。
企業がとってきた従来のリスク対策(ソーシャルメディアガイドラインの策定、炎上対策マニュアルの整備、関係者へのソーシャルメディアトレーニングなど)は、ソーシャルメディアのリスクから「企業(ブランド)を守ること」を目的に行われてきました。しかし、昨今の一般従業員やアルバイトによる炎上事故の多発は、企業のリスク対策には、「従業員の人生を守ること」も含まれることを示唆しています。
ソーシャルメディア利用の心得と作法を身につける
昨今発生してしまった某社一般従業員による炎上事故は、企業のブランド価値を毀損させたことが問われ、当事者は入社数ヶ月にして会社を去らねばなりませんでした(自己都合退職か懲戒解雇処分かは不明)。「友達しか見ていないだろう」という気軽な気持ちで投稿した140文字が、ひとりの社員の人生を変えてしまったのです。
企業の炎上事故をできる限り抑止し、炎上による被害をなくしたい。そして、企業で働く一般従業員の人生を守りたい。それが「ソーシャルメディアリスクマネージャー」の開発背景です。本サービスによって、企業・従業員のソーシャルメディアへの最適な参加・活用が進むことを願っています。
2011年12月
株式会社トライバルメディアハウス
代表取締役社長 池田 紀行



